今回は強いプレイヤーが節々に使う”圧”のお話。
見えない圧が存在する
見える圧
見えない圧を考える前に、まず”見える圧”とは何か。
それは、相手からダメージを受けている、弾が飛んできている、ULTを撃ってきた、ウィンストンが飛んできた、全員でラッシュをかけてきた、といった明らかな圧です。
これらは明確にプレッシャーを受けている”見える圧”です。
見えなかった圧
今回の趣旨とは逸れますが、”見えなかった圧”も存在します。
それはアンブッシュ、視覚外からの強襲です。いないと思ったら隠れていた。圧を全く感じなかったのに急に圧が出現する。
また、HPローの相手にフォーカスしたらいきなりアナのナノがつくのも、見えなかった圧と言えるでしょう。
見えない圧
今回の本題、見えない圧とはどういうものか。
例えば、フラバンを切っていないキャスディや、阻害瓶を切っていないアナに接近戦は挑みにくい。ULTを持っているラインハルトの正面には立ちにくい。
相手に飛び付ける距離まで近づけば実際に飛びつかなくても、相手はポジションを変えることがあります。
このように、撃たれてない、飛ばれていない、でも警戒してしまう。これが”見えない圧”です。
見えない圧の計算式
リソース×ポジション×エイムの印象
HP満タンでスキルもULTも全部持っていて、そのヒーローの最大火力が出る距離感で、一試合通してエイムが良い印象の相手がいたらどうでしょうか。
怖いです。特に何もされなくてもポジションを変えたくなるでしょう。
上級者との差
「ダイヤまでとマスター以上、何が大きく違うの?」と聞かれたら、私は常々「見えない圧の使い方」と答えていました。
ダイヤ前半までのプレイヤーは実働が多く、『見える圧』と『見えなかった圧』の二つで戦いを構築する印象。故に、圧が無くなる時間が長かったり、せっかくの強いスキルがイマイチ刺さらないことがあります。
一方上位帯では、この二つの圧の間に『見えない圧』を上手く介在させており、圧のレイヤーが一つ多い。
リソースを消費せずに見えない圧をかけることで、自分という存在を長く広範囲に影響させたり、もう一段深く、鋭く、キルまで持っていけるようなスキルの使い方をします。
今回の記事ではこの『見えない圧』についてご紹介します。
ポジションによる圧
ポジションによって見えない圧をかけることが出来ます。
裏にいるだけの圧
裏にいるだけで一定の圧
相手の裏を取れていれば、そこまで大きな火力が取れていなくても相手へ圧をかけることが出来ます。
当然、ノーリスクで突き刺すようなダメージが取れるなら取るべきですが、もしそうではない、ダメージをもらうリスクが大きい場合。
相手が一番嫌がることは圧をかけ続けること。ちょっとした色気で十分です。リスクの高い状況で実働を焦ってしまうと、長くこのポジションに居座ることが出来ません。
曲がり角の圧
プラチナ帯あたりまでによく見かけるケースです。
青は曲がり角を進行しようとしているのに、バックラインが下がり過ぎていて相手の後衛に圧がかけられていません。
赤の後衛まで圧がかからない
赤視点、相手がラッシュを仕掛けてくる気配がないのであれば、後衛ごとラインをあげて有意義にタンクにダメージを取ることが出来ます。
仮に青はダメージレースで勝てていても、ラッシュ出来なければ相手はすぐに立て直してしまうでしょう。
進行するためには青はサイドを取ったり、味方タンクに詰め寄ることで相手の後衛まで圧を与えます。これは多少ハッタリでも構いません。
赤の後衛まで圧がかかる
ハッタリに対して相手が動じなければ戻ればOK。一度グッとポジションの圧をかけて相手の出方を伺ってみましょう。
チョークポイントでの圧
こちらも曲がり角と似たケース。
チョークポイントで相手のタンクだけに圧を与えても、壁を使ってすぐに立て直されてしまいます。
打破するためには圧を相手の後衛まで届かせることが大切です。
実質タンクにしか圧がかけられていない
今から背後まで行くからなと言わんばかりの圧
タンク単体での解決
味方DPSがスナイパー、ヒットスキャンなどでどうしても前線が上がってこない場合。
タンクの選択肢としては、
・押し引きしながらワンキル、相手の事故を待つ
・味方がサイド展開するのを待つ
・強いULTが貯まるのを待つ
あるいは下の図のように、強引にチョークを抜けて圧の拡大を図ります。
圧の拡大、ただし長生きが不可欠
防衛側も考え方は同じ
防衛時も考え方は同じです。
敵の後衛まで圧がかけられていなければ、チョークや曲がり角で相手を止めることが難しくなります。
ただしOWのマップの構造上、チョークポイントは攻撃側がリスポーン優位に作られていることが多いため、事故が起きた時に痛手となるのは防衛側です。
必然的に防衛側は、ラッシュ、ダイブ、ULTを警戒して比較的下がる位置を取ることが多くなります。
スキルによる圧
スキルの使い道
前提として、上手いプレイヤーほどスキルやULTを一試合の中で多く使います。
その理由は、
①早いタイミングで使用し、大事なタイミングでもう一回使えるようにしている
②スキルを使うべき状況を作るのが上手い
大体この二つです。
①は意識すればすぐに出来ます。今回は②に着目します。
本来強いスキルは、キルに繋げられるように使いたいもの。使うべき状況を作るためにそのスキルを使用してしまえば、当然しばらく使うことは出来ません。
『もう一つ同じスキルがあればキル出来るのに…』
馬鹿馬鹿しすぎてこんなことはあまり考えないとは思いますが、その強いスキルがもう一つあれば強いことは容易に想像できると思います。
ダメージスキル
相手に攻撃したり、追加効果を与えるダメージスキルには攻撃と自衛の側面があります。
まずは攻撃。先ほどの角を曲がろうとする図です。
阻害瓶を持つアナがタンクの真後ろで相手に圧をかけています。すると、相手の後衛は阻害瓶を警戒して高いラインを維持できなかったり、ラインハルトは瓶を警戒して盾の消費量が増えます。
パッと阻害瓶を入れるのではなく、ほんの少しでも盾を消費させてから阻害瓶を入れた方が、キルまで持っていける確率がグッと上がるでしょう。
阻害瓶、ダーツを持ったアナが放つ圧
次に自衛です。
もし同じ状況のアナが阻害瓶もダーツも切って簡単に盾に防がれてしまった場合。アナの見えない圧は消失し、チームは轢き殺されてしまう可能性があります。
盾も消費させず、阻害瓶もダーツも失敗したら…
他にもトレーサーとの1v1の状況で、ソルジャーのロケットランチャーや、キャスディのフラバンを外してしまうとソルジャー、キャスディから見えない圧が消失します。
再接近されたくないような相手に対し、スキルが当てられる可能性が低いのであれば。スキルは切らずに見えない圧をかけ続ける選択肢もあるでしょう。
移動スキル
相手に詰められるスキルは圧に大きく関わります。
スライディングを使っているソジョーンと、まだスライディングを使っていないソジョーンとでは見えない圧の範囲が違います。
スライディングを使ったソジョーンはこれ以上深く入ってこない
歩いて移動し、そこからさらに飛んでくる可能性のあるソジョーン
移動スキルは”逃げ”の使い道もあります。
スキルを残していれば狙われても逃げることが出来る。だから深い位置まで圧をかけることが出来る。反対に、スキルを残していなければ、浅いところまでしか踏み込むことが出来ません。
移動スキルを使っている=浅いところまでしか入れない
移動スキルを使っていない=深く圧をかけることが出来る
また、相手に飛ぶ、接近するということは、飛びこんだ場所以外の見えない圧が消失するということ。
ウィンストンやD.Vaを使って無鉄砲に飛びまくると、広範囲に見えない圧を放つことが出来ません。
見えない圧を放つウィンストン
一点以外の圧が無くなったウィンストン
『ダイブ対ダイブはダイブしない』という通説があるように、味方が狙われている状態でタンクの見えない圧がなくなると、他のエリアが取られたり、味方が潰されてしまうことがあります。
味方が酷くポークされていない、あるいは味方が有意義に戦えているのであれば、歩きながら四方に圧をかけるのも大きな手です。
高台への圧
睨む圧
ダメージを取る、高台に向かうことだけが圧ではありません。ヒットスキャンで高台を狙っている段階で見えない圧があります。
睨むだけで解決とまではいかなくても、下にいる味方が上から覗き込まれて撃たれることは少ないでしょう。
モグラ叩き
真下にいる圧
高台の真下を覗き込むことは高台の人にとってかなりのリスクです。
真下にエコー、ファラ、D,Va、ウィンストンといった高台にアクセス出来るヒーローが控えていれば、いつどこから飛んでくるかわからないため、見えない圧がかかります。
他のヒーローの接近やポークと重なれば、高台に居座ることは難しいでしょう。
いつウィンストンとエコーが飛んでくるかがわからない
カウンターピック
カウンターピック
カウンターピックもこの見えない圧を利用します。
カウンターピックはカウンター先の相手を潰せるかどうかよりも、敵の何人に圧をかけられるかどうかを考えます。
”対応する”ではなく、複数人に”対応させる”ことが私のカウンターピックの考え方です。
対応する
→
『相手がウィンストンにしたからリーパーにしよう』は”対応する”考え方。
この”対応する”考え方は、カウンター先に火力を取って倒すor相手のサポートが焦るほどのダメージを取るところまでがセットです。
しかし、一定のレートになれば相性の悪さを警戒され、見合いにされてしまうケースが増えます。
→
暴れるボールにソンブラを出してもあまり勝てないのはそれが理由。
マップが広いペイロード、プッシュでは戦闘を避けられ、狭いマップでは1vs1に持ち込めずにラッシュされて焼石に水となってしまいます。
つまり、対応するカウンターピックで勝てるのは、
・相手の警戒が甘い
・戦闘場所がカウンターに都合の良い広さ
・カウンター先が僅かに動きづらくなるだけで戦況が好転する
これらの状況のみです。
対応させる
相手複数人に自分を対応させることを考えます。
例えば、相手がウィンストンだとしても敵DPS二人がヒットスキャンだった場合。リーパーでは相手のウィンストン以外に見えない圧がかからない可能性が高い。
なので、
「ウィンストンに強くて遠距離の圧もあるトールビョーンはどうだろう」
「トレーサーでどちらにも接近できるようにして圧をかけよう」
「ここは地形が複雑だから、ファラなら相手のDPSサポ全体に圧がかけられるんじゃないか」
といった考え方をします。
キルが取れる状況が生まれるか、局面を打破出来るかは、あくまで広く圧をかけて相手の陣形を変えたあとの結果に過ぎません。
※ヒットスキャンが単独行動してるならリーパーでも圧がかけられるかも
実際、ボール相手ならソンブラよりも他の相手にも圧をかけられるトールビョーンを出す頻度の方が高い。
→
ボールに加えて、ウィドウ、アッシュがいたり、相手サポがアナゼニのような構成であれば、ソンブラを起用して広く圧をかけながら、キルが出来るタイミングを窺います。
まとめ
・リソースを残す
・スキルの吐くタイミング
・カウンターピック
今回はこれらを抽象的にまとめたような内容でした。
決して、『スキルを出し渋れ』という話ではなく、あくまで着眼点のお話です。
自分視点の細かいワンプレイに着目するのではなく、相手の視点に立った時の圧に着目しましょう。自然と顔の出し方やスキルの使い方、距離が定まってくるはずです。
トッププレイヤーが一試合を通してスキルを一つ一つ丁寧に使っているか、と言われればそんなことはありません。カウンターピックを緻密に計算してるわけでもありません。
相手視点で怖いと思える行動を自然と取らされている、取ってしまっている、という表現が近いと思います。
また、相手の見えない圧に対してのリアクションが大袈裟だと、それもまたエリアやリソーストレードで負けてしまう要因になります。このお話は、次の記事でご紹介します。
リプレイ寄稿のお願い
パーク実装後のレート別のリプレイ資料が少ないため、リプレイコードを募集します。
資料は環境の解析、記事の執筆、コーチングに使用させていただきます。ご協力いただける場合はお手数ですが、下記グーグルフォームからの寄稿をよろしくお願いいたします。
また、期間限定でこちらのフォームからそのまま一口リプレイ添削を依頼することが可能です。
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・試合、プレイの印象
・ターニングポイント
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・練習方法
これらを軸に添削し、メールアドレス宛てにお返しいたします。
基礎講座型コーチングが少し先まで埋まっておりますので、気軽に感想やアドバイスを受けたい場合に是非ご活用ください。
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