中編では試合の全体像を解説します。
1ウェーブの全体像
序盤
序盤では情報を集めたり、撃ちたい場所を取ったり、火力を出したり、可能であればキルも取ります。
ULTを持っているなど、今後の自分の火力に自信があるときは隠れることも検討します。
このあと乱戦に入りますが、序盤で圧倒的な差がついた場合は乱戦にならないこともあります。
中盤
序盤で優位が取れたらその優位をキープするために接近し、乱戦を始めます。
不利な状態の場合、畳み掛けられることはあってもこちらから畳み掛けることは基本ありません。
終盤
優位を確実のものにします。無理な動きで死んでしまうとひっくり返されてしまう危険性があるので注意が必要です。
もう逆転の見込みがないほど不利を取った場合は、次のウェーブの序盤へ向けての準備を始めます。
序盤の考え方
序盤が大切
序盤の布石が全てと言っても過言ではないゲームです。しっかり相手と味方の位置を把握し、中盤の乱戦に備えましょう。
スマーフのようなキャリーは基本、ここで火力、キル、大人数を釣るなどして相手の形を崩し、優位を取ります。
中盤、終盤になればなるほど貢献が難しくなっていきます。
保証を大切に
序盤で優位を作るのが大切。でも無茶は禁物です。
このゲーム、自分が出しゃばらないまま乱戦に突入しても体感30〜60%くらい勝率があります。これを私はOWの最低保証と呼んでいます。
相当自信があるシーンでもない限り、最低保証を残す程度の出しゃばり具合に留めておきましょう。
序盤でトライはするんだけど、ちゃんと中盤の乱戦にも参加します。
レートがなかなか上がらない人は、序盤でチャレンジし過ぎてこの保証を投げ捨ててしまっている。あるいは何もせず、保証だけの運ゲーをしている人が多い印象です。
高台の対処
もう一つ序盤の大きな難関として、高台対処があります。
決して、『高台が取られている=取りに行く』というわけではありません。戦いにおいて”高台の相手が脅威と感じる場合”に奪いに行きます。
また、相手全員が高台にいる場合、本当に一番守りの堅い高台から取らなくてはならないのかを一度考えましょう。
高台は確かに強いポジションですが、他にも強いポジションがあるかもしれません。相手全員が高台にいるなら、高台以外のポジションを全て奪うことが出来ます。
意外な高台対処方法
高台を取ることなく高台の対処をする方法もあります。
① 盾やヒールで一時凌ぎ
高所から撃たれてしまうポジションを盾やヒールで凌ぎながら通過します。
② 下から撃つことで顔を出させない
下からも火力が取れるヒットスキャンを用意して、相手が有意義に火力を取れないようポークします。
③ 高台にアクセス出来るヒーローを用意する
直接高台の相手を倒せなくても、軽く絡んだり、睨みつけるだけで高台をあしらうことが出来る場合があります。
④ 真下に滑り込む
FPS全般、真下を撃つのは至難の業です。高台の壁に身体をつけてしまえば意外と攻撃を受けないことがあります。
空いている高台は取っておく
高台が相手に取られていない場合はとりあえず取っておくケースが多いです。
こちらの構成に高台から有効な打点がなくても、高台を相手に無料で渡すわけにはいきません。
相手が「高台=取らなきゃいけない」と思って躍起になってくれる可能性もあります。
裏取り
裏取りについても高台と同じことが言えます。怖くない裏取りに振り回されないよう注意しましょう。
味方にブリギッテやジャンカークイーンのような全体ヒール持ちがいる場合、トレーサー一人に大人数を割く必要はありません。
怖いなら対処する。怖くないなら軽くあしらう程度で構いません。
中盤の考え方
火力を取る
乱戦がスタートしたら基本的には自分が一番火力が取れると思ったところを狙います。
割れそうにない盾、倒せそうにないタンク、火力が通らないほど遠い敵、素早く動くルシオなどの当てる自信がないヒーローは狙わないようにしましょう。
移動は出来る限り序盤で終わらせること。乱戦中に「やっぱりあそこ取りたいなぁ」なんて呑気に移動している暇はありません。
必ずしもキルを狙わなくていい
乱戦中に大切なのはチーム単位のダメージレースで勝つことです。
逃げているローHPの相手をわざわざ時間をかけて狙いに行く必要はありません。戦場から追い出した時点で無効化に成功しています。
追いかけて倒すまでに時間がかかりそうな場合は、すぐに火力を取れる相手にフォーカスを変更しましょう。
全ての状況を把握する必要はない
ミニマップが無いため、乱戦での戦況把握が難しいゲームです。トッププロでも毎度全てを把握しているわけではありません。
もし乱戦中に全体像をキッチリ把握出来ているのであれば、それはそれで問題かもしれません。戦闘に加われていない可能性があります。
タンクなら『ウドの大木マン』、DPSなら『永遠に味方囮マン』、サポートなら『安全なところからヒールだけマン』になります。
前に倒れるか、下がるか
乱戦中に大きな判断が必要となるのは主にこの二つ。前に倒れるか、一旦下がるかです。
この二つを正しく判断しないと、いつの間にか1人で戦っていたり、自分だけ下がって味方を見捨てることになります。
この判断は自分1人の目線ではなく、味方全体が戦況をどう思っているかを判断基準にしましょう。
自分は行ける!と思ってもチームにとってそう見えない場合はチームは後退します。前に倒れる際は、味方全員が納得するような優位が必要です。
息継ぎをする
乱戦中でもたまに息継ぎを挟みましょう。
無呼吸で戦うといつの間にかボッチになっていたり、火力やキルが取れそうな相手を見落としてしまう可能性があります。
息継ぎはざっくり5秒に1回くらいが目安。味方の状況を一瞬確認し、自分が火力が取れそうな相手を探してからまた戦い始めます。
終盤の考え方
優勢時
相手がすぐに立て直してしまう場合はラッシュを仕掛けますが、人数有利が継続出来そうなら横綱相撲で構いません。
ラッシュは事故のリスクの方が上回ると巻き返されてしまう可能性があるので注意が必要です。
プロを真似して毎回ラッシュする方が多い印象。高レートでは相手の立て直しが上手くなるので、自然と優勢時にラッシュをかける機会が増えます。
自陣のリスポーンが相手リスポーンよりだいぶ近い場合は多少リスクを取ってラッシュを仕掛けても構いません。
劣勢時
100%巻き返しが厳しい場合は自分1人でも生き残りましょう。特に足の遅いヒーローはこの意識が必要です。
生き残った人が次の戦いで先頭に立つ権利を得ます。
先頭で戦えるということは動きの択が増えるので、戦いのイニシアティブが取りやすくなります。
回避したいのは最後に死ぬこと。最後に死ぬということは次の戦いの最後尾から戦いに入ることになります。
先頭の味方の動き出しによっては自分のポジショニングの時間が無くなってしまいます。
ルールに落とし込む
ルール
これらのウェーブの流れをマップごとのルールに落とし込む必要があります。
ペイロードマップならペイロードをゴールさせることが目的、コントロールマップなら拠点をキープし続けることが目的です。
これらが達成されるのであれば、不要な戦闘は必要ありません。
優位な場所で戦う
本来は目的を阻害されなければ戦う必要はありません。ところが、地形的に優位な場所が拠点近くとは限りません。
相手が拠点やペイロードを踏みに来る前に優位が取れるならそれが一番。
レートが高くなるにつれ、次第に拠点基準ではなく地形上優位なラインで戦うようになっていきます。
味方のポジションを見極める
レート帯によっては拠点付近から動かない人もいます。
いくら優位な場所で戦いたいからと言っても、一人で戦うのは得策とは言えません。ある程度味方と戦うラインを合わせましょう。
反対に、優位なラインでガンガン戦う人もいます。後衛陣は総崩れにならない程度に、その人の意図も汲んであげましょう。
まとめ
今回解説した流れは、実際文字で書くほど明確に分けられているものではありません。
何となくイメージ出来ればOKです。
次回の下編ではもう少し細かい部分について解説します。