久しぶりのメタリポート。
S16について
S17に向けて、まずはS16から振り返ります。
フレイヤの実装
一言、強いですね。
メイン射撃の射撃レートが高い上に、胴体二発で持っていける高火力な着弾矢を持っています。ヘッドショットに当てなくてもヘッドショットクラスのダメージ量。
また、ファラばりに射線を通せるため、撃てる時間がとりあえず長い。ピークの場所が味方と被らない分、被弾が抑えやすいのもメリット。そしてゼニヤッタを除く全ヒーローの中で一番足音が小さいのではないかと思います。
BAN対象になりやすいのと、静止した状態での射撃が当てられるエイムを持っているかどうかが使用のボーダーラインです。
BANピックの導入
BANピックが始まりました。環境が固定されなくなった非常に面白い要素です。
このBANピックの意義は戦略性よりも、イタチごっこで後手にならざるを得ない環境調整のため、という見方をしています。
フレイヤも、一時期のマウガやハザードのように猛威を振るっていたはず。それがBANピックのおかげで鎮静されています。今後、環境から頭一つ飛び抜けたヒーローはBANされていくのでしょう。
フレイヤはさておき、ソンブラが親の仇のようにBANされていますね。次点はボール、ザリア、アナ、時折ドム、ファラといった不快指数が高い順。(S16当初)
高レート帯になるほどにBANピックが固定化されていくのが難点ではありますが、それを差し引いてもこのBANシステムはメリットの方が大きいように思います。
個人的にはアナがBANされた試合が好みです。
新モード『スタジアム』
10戦くらい回した感想としては…
普通のOWに比べたらただのミニゲーム、でもアーケードにしては力が入っている。ルールはほとんどOWそのまま。
立ち位置がよくわからないというのが初めての感想。スタジアムを今後そこそこの熱意で更新していくのであれば、OW側のパークシステムが必要なかったんじゃないか?という気もします。
完全に俯瞰視点のMOBAのようなOWならやってみたいなと思いました。
S16の環境
一つ前の環境から振り返ります。
バランス良し
パーク導入〜フレイヤ投入で、もっと一辺倒な環境になるかなと思っていましたが、BANピックのおかげでゲームバランスは崩れていません。
ソルジャーまで起用できる環境は非常に楽しい。あくまでFPSが母体で、上手く使えばピーキーなヒーローも活躍するようになっています。
今回の記事はメタリポートとしていますが、BANによってコロコロ変わる環境。メタの流れを掴むことが大切です。
タンクとポークのバランス
少し前まで、DPSに立場がなくタンクはタンクでしか止められない環境が続きました。しかし現在はDPSのポーク性能が上昇。タンクの強さとポーク性能、この二つのバランスが今の環境を作っています。
リーパー、シンメトラといったインファイター系DPSも強いものの、パーク導入後のファラが強いため、そこもまたラッシュとポークの均衡を保っています。
DPSがタンクをキチンと叩かなければならない環境は非常にGood。タンクはパークが入った今くらいモンスター感があった方が、5vs5のバランスは取れるのかもしれません。
フランクの難易度が上昇
・タンクが止まらない
・パークによるフランカー耐性の向上
・ソンブラBAN
このあたりの理由から、フランカーの使用難易度が上がっています。
多少フランクしたところで、敵の体勢が崩れない。ダイヤ帯までの試合を拝見すると、本隊に干渉出来ていないトレーサーをよく見かけました。
フォーカスが合いづらいボリューム層では、火力の出しやすいポーク混じりのラッシュコンプが加速しました。
S17での変更点
めぼしい点をピックアップ。
DPSの回復阻害が25→30%へ
DPSの攻撃を1ダメージでも貰うだけで、2秒間貰えるヒール量が30%カットされるようになりました。
DPSがダメージを撒き散らすメリットが上昇。ダメージをヒールするよりもそもそもダメージを取られないエリアリングの優先度が高まっています。
すでにバランスが取れていたポーク性能にさらなる強化。相対的にダイブで接近しなければならない環境になりそうです。
ラッシュコンプに関してはポークの有用性があってファラが強い限り、ラッシュコンプ一択みたいなメタは来ないのではないかと想定しています。
自動回復が5秒から6秒へ
DPSにとって地味に痛い修正。
乱戦の中で自動回復してから戦場に戻る形はもう期待出来ないと言えるレベルの時間になりました。ポーク、フランカー系のDPSどちらにとっても痛手となっています。
サポートは3秒で回復が始まるため、DPSの回復阻害と相まってキリコ、モイラといったサポートフランクの序列が一つ上がるかもしれません。
トレーサーとリーパーの火力増加
取り沙汰されているのはやはりトレーサー。また火力が6に戻りました。
パークによるフランカー耐性に対してメスを入れてきましたね。巷ではトレーサー最強と言われていますが、面白くないほどのOPならBANされ続けるだけでしょう。
DPSの30%阻害はポークヒーローの方が恩恵が大きいと踏んでいるため、ダイヤ帯前半あたりまでのトレーサーはそこまでOPではないのではと思っています。
ルシオのAOEヒールの上昇
トレーサーや回復阻害とバランスを取るかのようにAOEヒール量が上昇しました。それもなんと25%強化、アンプが入ればそこにさらに倍率がかかります。
個人的には回復量よりも火力が欲しかった。全体ヒールとしての価値であれば、怖さの面でまだブリギッテの方に軍配が上がります。
ルシオは火力やスピードコントロールで受けに回らない環境を作るかどうかが大切。だとしたら火力増加の方が欲しかったなと思います。
新マップ『AATLIS』
ついにフラッシュポイントにも新マップが登場しましたね。
フラッシュポイント全般ですが、今マップは特に壁が多い。索敵をキッチリして根拠を持って壁から出なければ、簡単に奇襲されてしまいます。ピークの際の体の出し過ぎに注意しましょう。
リーパー、ベンチャー、トレーサーを筆頭とした近距離戦闘系のヒーローが使いやすく、ヒットスキャン入りの鈍足構成なら相手の事故を誘うような戦いになりそうです。
マップ投票システム
これも面白い要素ですね。
やはり試合時間の長いエスコートやハイブリッドは不人気。プッシュ、コントロール、フラッシュポイントが多めなので、環境もそれに引っ張られている感じがします。あとパライソ人気ないですね。
ラダーのテンポ感を懸念していましたが、わりとサクサク決まるのでそこまでストレスはありません。
マップ投票がきてからむしろ、BANの最初に使いたいヒーロー選ぶ時間がいらないなと思い始めました。BANを選ぶ時間に右クリックで選ぶだけでいいのになと思います。
現環境の攻略
タンクvsタンクは不毛
パーク実装により、よほどのキッカケがない限りタンクがタンクを削り切れるケースが少なくなりました。
ピュアなタンクvsタンクは不毛。むしろタンク優位だからと言ってタンクに詰めれば詰めるほどチームが囲まれていき、タンクを削りきれず状況を悪くしてしまうことも多いでしょう。
現環境において重要なのは、タンクをいかに戦場に幅広く影響させるかどうか。タンクはタンクで止めるしかなかったS15以前から戦闘の形が変わっています。DPS復権により、『従来のOWに戻ってきている』という表現が正しいかもしれません。
DPSサポvsタンク
味方タンクが心置きなく幅広く戦えるよう、DPS、サポは敵のタンクに対抗できる構成を考えておきましょう。
ダイブ構成でない限り、DPSやサポートがポークや身体でタンクを鈍らせて、味方タンクを幅広く戦わせる形が今のトレンドです。
敵タンクはポーク、あるいはインファイトDPSで止めたい
力強さと手数
現環境のキーワードは”力強さ”と”手数”です。
エリアリングの重要性が高まっているため、相手を弾き返したり、一度取ったポジションを手離さない力強さが重要になっています。
詰められたからといって大移動していては、その間に大勢が決まってしまいます。DPSやサポもタンクと近距離で戦うなら「近づいた」「近づかせた」と言えるような”力強い”戦いをしてエリアを確保したい。
もう一つは手数。1人を集中狙いしてもなかなか削りきれないケースが増えています。手数をかけてダメージを散らし、フォーカスチェンジをすることが有効なケースが増えています。
特にDPS。今のDPSにはポークと身体を使ったサブタンク性能が求められています。つまりタンクの補助と相手のエリアリングの阻止です。
スナイパー系ヒーローでたまにツンツンするくらいでは相手は止まりません。力強さを出しつつも、ある程度ダメージを散らすことができる”手数”も重要となっています。
力強く使えてる?
人によって力強く使えるヒーローが違います。
器用なヒーローを強く使う
彼らは理論値が高く設定された器用なヒーロー達です。もしオートエイムチートを使うなら彼らを選ぶでしょう。
これらのラインナップで力強さを出すためには、エイム、ポジショニング、細かい被ダメージと被ヒール管理が必要です。タンク相手にヘッドショットを当てたり、時にはリスクを取ってハイプレスが必要な場面もあるでしょう。
トレーサーは強くなりましたが、耐久系のパークや、ルシオブリギッテのヒールを上回るほど力強く運用出来る人はダイヤ帯でギリといった印象です。
強いヒーローを器用に使う
そもそものキャラパワー、火力と耐久力を持ち合わせたヒーローたちです。慢性的な火力よりもスキル効率や接敵タイミングを図ることで、キャラパワーを引き出します。
もしエイムやダメージ管理に自信がなかったり、状況によって高圧的に戦えている感覚が得られないのであれば、これらのヒーローをお勧めします。
ちなみに、タンクの大半は強いヒーローに該当します。ザリア、ボールあたりは強く使うための難易度が高いため、比較的器用なヒーローに分類。
サポートの大半は器用なヒーローに該当。強いヒーローに該当するのはモイラ、次点にアナゼニブリが該当します。
ダブルポークの場合
おすすめヒーローを紹介する前に、現環境において味方DPSがヒットスキャン2枚だった場合。タンクが孤立しやすく、辛い試合になるケースが多いため解説しておきます。
タンク
ヒットスキャンに時間を作る意識で、DPSにフォーカスが向かないような立ち回りを行います。
ポークが出来るシグマやオリーサでは、比較的ヒットスキャンと似通ったラインになってしまい、敵を動かせなかったり、逆に接近されてしまうケースが増えます。
D.Va、ドム、ハザードのように力強さもあり、機動力もあって孤立して生き延びられる力もあるヒーローがお勧め。味方DPSにフォーカスを集めないよう、自分はDPSから離れてみましょう。
相手がダイブ寄りの構成だった場合のみ、ウィンストンで味方側にいることをお勧めします。ボールも役割としては似ていますが、手数と力強さに欠けるため、現環境には向かい風となっています。
サポート
敵を寄せ付けない、DPSの対タンク性能を上げるゼニヤッタやマーシー。
さらに射線を増やすためにフランク気味のキリコやモイラでエリアリング、敵の視線誘導を行います。この2人で味方のタンクの視界に入ってあげるとタンクは喜びます。
おすすめヒーロー
本格的に上位帯を目指す、プラチナ〜ダイヤ帯に向けてヒーローを選出します。
タンク
現環境のタンクのファーストチョイスとしては、自然と対タンクに熱中しすぎないヒーローで、盾持ちヒーローをお勧めします。
味方のDPSサポートがタンクを弾き返したり、避けて戦っている場合はウィンストン。対面して硬直している場合はオリーサをお勧めします。シグマとラマットラはその中間にあたります。
対タンク性能も高いオリーサは現環境において汎用性No.1ヒーロー。ただし、その分タンクに熱中してチームが囲まれてしまわないよう常にエリアリング意識が大切です。
盾持ちではないものの、ハザードも自然とタンクに熱中し過ぎない上に手数を持ったバランスが良いヒーローと言えるでしょう。
DPS
DPSの片方は対タンク性能が高く、力強さと手数が出せるDPSをお勧めします。
敵タンクに対抗できるサブタンク性能の高いヒーローをチョイス。キャスディは現最強のオリーサを退けるなら必須クラス。シンメトラも対オリーサ、シグマに重宝します。
リーパーやベンチャーは強化されたものの、得意なムーブをするとどうしても手数が落ちるため、味方の接近が担保されているラッシュコンプや狭めのマップで活用。新マップAATLISでは使いやすいかと思います。
ファラは現環境のメタのバランサー。ラッシュやポークに近づけない際は、距離減衰のない爆撃ポークでそもそもチームが相手に近づく前に相手を動かし、戦場を整えましょう。
最後にトレーサーですが、何度も言うように今の環境は力強さと手数です。
〜ダイヤ帯のトレーサーは裏でヒラヒラと戦い、本隊に干渉していないケースを多く見かけます。フォーカスが裏に合っていない限り、タンクに強くダメージ出したり、相手の裏どりを追い返して攻守一体型のトレーサー意識しましょう。
ソルジャー、ソジョーン、フレイヤについては性能自体が”攻”に振り過ぎているため、相手が防戦一方なら戦いやすいと思います。
サポート
サポートも同じく、相手を弾き返すほどの力強さと手数が大切です。
力強さと手数のヒーローで言えば、バティスト、イラリー、キリコが筆頭。やはりグラマス帯ではここにアナとブリギッテが混ざる形が強い印象。
ただし、前述したようにサポートは基本器用なヒーロー。バティストやキリコで強さを出すにはエイムが必要です。他にも、タンクDPSの被ダメやエリアリング意識に差があるため、少し違った角度でピックアップしていきます。
ジュノ(準備中)
まずはタンクにエリアを広くとらせるメンバーから一人をピックアップ。相手をいかに後手に回らせるかを考えます。マップ投票により、プッシュやコントロール系マップが多いのも追い風になっています。
この中から二体を並べるのもスピーディで悪くはないのですが、フォーカスが合わなければ力強さに欠けて相手のタンクが闊歩してしまうケースが多いでしょう。
なので、ベースは上の4体にキャラパワーのあるこの2人を組み合わせる形をおすすめします。
この2人でアグレッシブに立ち回るには、味方にルシオ、ブリギッテのようなメインヒーラーがいたり、味方のフランカーや相方のモイキリが相手を後手に回らせている場合のみ。
それ以外で狙われる可能性がある場合は徹底的にチームから離れておきましょう。相手の裏取りヒーローよりもさらに後ろが目安です。
まとめ
S16は「OWの基礎を振り返れ」と言わんばかりの環境でした。
・ヒーローを強く使う
・タンクの敵はタンクではない
これらは今に始まった話ではありません。
最近の器用さでは勝てないOWは、エイムや、ヒーローごとの熟練度が高くない方にとってしんどい環境になっています。
今後、頭が飛び出たヒーローはBANされるため、環境変化は緩やかなものになるでしょう。ソンブラやボールのように”嫌い”という理由でBANされるヒーローは、OPヒーローが増えればBANを回避できるかもしれませんね。
今月〜来月にかけて記事を連投予定です。
※ リプレイコード寄稿の受付を終了しました、ご協力ありがとうございました。