戦闘の流れがわかったところで総仕上げ。細かい部分を解説します。
ダメージレースの感覚
試合中、チームが優勢か劣勢かを常に把握しておく必要があります。
常にダメージレースメーターを持つ
戦いの中では、今どちらのチームが火力で優勢なのかを把握しておく必要があります。
なので、常にダメージレースメーターを頭の中に持っておきましょう。
私のイメージでは↓のようなシーソーがあって、自チームが優位に立っている場合はプラスに、苦しくなるとマイナスに振れていくようなイメージです。
ダメージレースの判断方法
ダメージレースはざっくり、味方のHPや盾の残り具合、これから前進する余力があるかどうかで判断します。
キルログも見逃してはいけない判断材料の一つです。慣れてくれば敵味方の構成や、相手の動き方、前進具合で判断することも可能です。
メーターの必要性
なぜこのメーターが必要なのか。
例えば今にも乱戦が始まりそうなこの図。あなたは図一番右下の丸DPSだとしましょう。孤立している相手のサポートに絡みに行っています。
ここで、ダメージレースメーターを持っている人と持っていない人とでは感覚に大きな差異が生まれます。持っていない人なら悠長に火力を取り続けるでしょう。
ところが、ダメージレースメーターを持っている人であれば、急がなくてはならない感覚を持つはずです。
「すぐにサポートのキルを取って集団戦に戻らなきゃ」
「しっかりダメージを取ってこのサポートにカバーさせよう」
「いや、それじゃ相手の勢いは止まらない。他の敵にも絡もうかな」
ダメージレースメーターを持って味方が集団戦で負けてると判断し、このようにもっと貢献出来なきゃいけないという感覚が持てる人は、すぐこのゲームが上達すると思います。
ダメージレースへの貢献
キルは非常にわかりやすい貢献です。
ここではちょっぴり目に見えにくい、キル以外のダメージレースへの貢献について解説します。
相手が焦るような火力を取る
”相手が焦るような火力”を取ることでダメージレースに差をつけます。
図のように相手が焦ってカバーやヒールをしなくてはいけない状態に持っていきましょう。
盾で楽々防がれたり、ルシオやブリギッテの全体ヒールで間に合うような火力は”相手が焦るような火力”とは言えません。
大人数を惹きつける
味方が戦っているタイミングで相手複数人を引きつけることが出来れば、チームは疑似的な人数優位となりダメージレースで優位に立てます。
しかし、味方がダメージレースで優位に立つのを待たなくてはならないので相当な時間が必要です。なのでこの動きはタンクやフランカーが得意とするところ。
フォーカスが貰えるまで火力を出し、フォーカスが貰えたら保身に徹して味方をダメージレースで優勢にさせます。
押し引きはダメージレースメーター次第
「今チームは優勢なの?劣勢なの?」
これらを判断材料として立ち回りが決まります。
押してるなら無理なプレイは必要ありませんし、苦しい状況なら多少の無理も必要です。
反省もダメージレースメーター
「自分はどれくらいダメージレースに貢献していたの?」
戦闘後には自分がダメージレースに貢献しているのかどうかを考える必要があります。
キルは取れていたけど、肝心のダメージレース貢献はどうだったのか。次はどんな貢献が出来そうかを考えてみましょう。
ダメージの出し方
次は効率よく火力を出すために必要な感覚です。
ダメージ感覚
ダメージレースで勝つためには被弾を抑えつつ火力を出す必要があります。
しかし被弾を警戒しすぎると壁に隠れる時間が長くなり、撃つ頻度も減ってしまうため、どんどん戦いに貢献出来なくなってしまいます。
眼前の光景から、自分がどれだけダメージを受けるのか。どれくらいヒールがもらえて、どれくらいの時間なら顔を出して撃ち続けることが出来るのか。
効率よくダメージレースに参加するためにはこの”ダメージ感覚”を習得しなくてはなりません。
タンクを持ってみる
タンクを使用したことがない方にはぜひタンクを使ってみることをお勧めします。
DPSやサポートは少しの火力で死んでしまうため、このゲーム特有の『ダメージを受けてヒールをもらう』という感覚の習得が難しい。
身体で貢献出来ないプレイヤーは、チームへの貢献は難しくなるでしょう。
タンクならHPに余裕があるため、相手の攻撃や味方のヒールを受けやすいでしょう。”ダメージ感覚”を養うにはうってつけです。
HPは6割残す
どのロールを持っていても、HPは半分と少しは常に残しておく意識を持ちましょう。
それ以上減らしてしまうと味方にカバーを焦らせてしまいます。焦る、ということはチーム全体が混沌に陥ってしまう可能性が高い。
正しい判断ができなくなったり、相手の接近に気づくことが出来なくなってしまい、誰かがデスしてしまう可能性が大幅に上がります。
OWにおける役職
役割分担
私はロールの境界線をキッチリ分けるのは好きではありません。
サッカーはディフェンダーがゴールを決めても良いように、OWもサポートがキルやダメージを取っても良い場面があります。
ダメージレースで貢献するために、自分が持つヒーローが得意なことは何なのかを考えることが大切です。
タンクは壁、DPSはダメージ、サポートはヒール、ではなく全員がダメージレースに貢献することを考えましょう。
DPSとタンクの戦う順番
『戦う場所の要望を伝えるのはDPS、実際に開戦の合図をするのはタンク』です。
DPSが快適に火力が取れる形が一番。だけど開戦のタイミングはタンクが決めます。
つまり、タンクはDPSが戦いたいタイミングでエントリーし、DPSはタンクがエントリーするタイミングまでは本気で戦ってはいけません。
この関係性を擦り合わせることで強いチームが出来上がります。
サポートについて
一番補足が必要であろうサポートだけ別項で追記します。
サポートのお仕事
サポートが得意とすることは、”味方を戦場から離脱させないこと”です。
味方が死んだり、回復パックを取りに行ったりするとダメージレースで負ける可能性が高くなります。
出来るだけ味方が戦場で前を向いていられるよう、ヒールを分配したり、時には自ら火力を取ります。
すでに離脱した人
すでに戦場から離脱している味方をヒールする際は注意が必要です。
サポートが回復に向かうと一時的に戦場に二人いない計算になるため、チームがガタッと崩れてしまう可能性があります。
その人を戦場に戻す余裕があるのかを慎重に考え、集団側に余裕が無い場合は回復パックを取りに行ってもらいましょう。
ヒールをしない選択肢
OWにはヒール奴隷なんて言葉がありますが、むしろ手綱を握っているのはサポート側です。
DPSやタンクはヒールがなければ消極的に戦わざるを得ません。
サポートの気分次第で「こっちは強気」「こっちは弱気に」と試合を後ろからコントロールすることが可能です。
死んでもいい順番
乱戦が始まった中盤終盤において、あえて死んでも良い順番を挙げるのであればサポートです。
極論、サポートだけが生き残っても勝つことは出来ません。
ヒールだけでは状況が好転しないと判断した場合、サポートは相手のフォーカスを貰い始めることも視野に入れます。
ULTの考え方
ULTを把握する
このゲームにおいてULTは最強の切り札です。
敵味方のULT状況は可能な限り把握しながら戦いましょう。相手に強いULTがあっても、心構えがあれば対抗することが可能です。
ウェーブの合間には必ずスコアボードを開き、味方のULT状況と、直近で相手が使ったULTを確認しましょう。
自分(味方)にULTがある
自分や味方がULTを持っている際は基本的にそのULTを成功させるための立ち回りを考えます。
せっかくULTがあるのに無理な動きをして死んでしまうと非常に勿体無い。無茶なトライは必要ありません。
ULTは”チームをダメージレースで優勢にするため”に撃ちます。ULTを撃つことでキルが取れなくても、良い状況が作れるなら問題ありません。
ULTでの大量キルを狙うと、ULTを撃つまでにダメージレースで負けてしまてしまう可能性があります。
相手にULTがある
相手が強いULTを持っている際の選択肢は二択です。例えば相手のナノ龍神ならば…
① ULT自体を対処する
・ULTで対処する(ビート、虹彩、サージ、デッドアイ等)
・ダーツで寝かす
・とりあえず攻撃して倒す
・とりあえず全員で逃げる
このような対処を狙う場合は、ULT前から相手と微妙な距離感をキープします。
近すぎると対応が難しく、遠すぎると相手がULTを撃たないままポジションを取られてしまいます。
② キルレース
味方2、3人のデスを覚悟した上でゲンジ以外の相手を倒しにかかるパターンです。
ゲンジを止める手段、ゲンジから逃げる手段がない場合はこのキルレースを選択します。
ゲンジがULTを撃っている間がチャンスです。キルを取っていくゲンジが帰ってくる前に、より多くのキルを狙いにいきましょう。
VC、チャットの使い方
使いすぎ注意
OWはゲームテンポが速いため、自分がやりたいことは声ではなく行動で示すことが大切です。
実際コーチングを受けられた方でも、VCや3.2.1コールを使う人ほど立ち回りの幅が狭い印象。
レートが停滞したら一度VCをオフにすることを検討しても良いかもしれません。
鬼になってから金棒を持ちたい。
受動的にならない
味方の指示でピックを変えるのはNG。
ピック先のヒーローで何をするのかがわからなければ意味がありません。負けた時の言い訳材料にもなってしまいます。
提示されたヒーローが自分の想像の中で上手くいくと感じたら、自分の意志でピックを変更してください。
変更を促す際は具体的に
もし味方にピックを促すのであれば、そのピックでどうして欲しいかまで提案しましょう。
「○○で〇〇してみてもらえませんか?」みたいなイメージ。「winston plz」みたいな注文は意図が伝わりません。
チャットであれば慎重に言葉を選びましょう。強い言葉を使うと味方がトロール化してしまうことがあります。
モチベーターになる
スポーツにおいて明るい声出し要因は非常に重要な役割です。
自分がモチベーターになれるのであれば、無条件でチームにバフがかかります。
ただし、声を出すことに頭のリソースが裂かれてしまう分、自分が試合に没頭出来ない可能性があります。
まとめ
以上になります。
この講座はあくまで理解を深めるための第一歩であり、ちょっとしたスパイスです。実際はもっと複雑で、相手との駆け引きの上にゲームは成り立っています。
また、最初にも記載したように、この講座はコーチングサービスの内容を出来るだけ回避して作っています。
もう少し細かく、わかりやすく知りたい、という方はコーチングのご受講をご検討ください。